【解説】テキストマイニングとは?
更新日:2025.01.09
テキストマイニングとは、テキストデータを分析する手法のひとつで、文章を単語に分割し、単語の出現頻度や相関関係を分析し、適切な形で情報を抽出するものです。現在では、AIを用いて簡単に解析できるツール等によって短時間で分析を行うことができるようになっています。
本コラムでは、テキストマイニングの概要、活用のメリットやデメリットについて解説します。
ぜひ参考にしてください。
目次
1.テキストマイニングの概要
2.テキストマイニングの主な分析方法
3.テキストマイニングのメリット
4.テキストマイニングのデメリット
5.まとめ
1.テキストマイニングの概要
テキストマイニングとは、文章(Text)と採掘(Mining)を組み合わせた言葉で、膨大な文章・文字列(テキストデータ)から有益な情報を抽出するための分析手法です。
また、テキストマイニングは、データマイニングの一種で、自然言語処理技術を用いて構造化されていない文章を名詞・動詞・形容詞などに分解し、出現傾向や単語間の関連性などを可視化することができます。
テキストマイニングの対象となるデータには、以下のようなものがあります
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市場調査(アンケート)の自由記述回答
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SNSや口コミサイトの投稿内容
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コールセンターでのやりとりをテキスト化したデータ
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問い合わせフォームに寄せられた意見
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会議の議事録
なお、現在テキストマイニングは、AIにより膨大なテキストデータから特定の情報を取り出し、効率的に集計や分析ができるため、様々な場面で用いられています。
2.テキストマイニングの主な分析方法
テキストマイニングの主な4つの分析手法について解説します。
分析の目的や用途、抽出したい情報などによって、選択するべき分析手法が異なるので、注意しましょう。
本章では、以下の4つの分析手法について解説します。

2.1.センチメント分析
センチメント分析は、テキストデータから人々の感情や態度を分析する手法です。テキストの感情的なトーンを特定したり、企業や製品に対する顧客の感情を理解することを目的としています。また、人間の感情は、基本的に以下の3つに大別されます。

ただし、多面的な意味を持つ単語などは、年代や文脈によって解釈が異なる場合もあるため留意が必要です。
センチメント分析の留意例および対象例は以下の通りです。
留意例:「ヤバい」
ポジティブとネガティブの双方の場面において使用される言葉
対象例:SNS上のコメント/製品レビューの評価/カスタマーサポートの応対
2.2.共起分析
共起分析は、テキストやデータの中で特定の単語やフレーズが一緒に現れる頻度やパターンを分析する手法です。ある単語に結び付く別の単語の組み合わせを抽出することを目的としています。
共起分析の例は以下の通りです。
例:マーケティング戦略の立案
特定の商品と共起するキーワードを探します。これにより、商品の特徴や顧客の関心事を理解し、新たなマーケティングキャンペーンや製品改善に活用することができます。
2.3.コレスポンデンス分析
コレスポンデンス分析は、リサーチ・アンケートなどの別々の結果をまとめて表し、関係性を分析する手法です。複数の変数間の関係性を2次元または3次元の空間上に図示し、データの構造を視覚的に表現することを目的としています。
コレスポンデンス分析の例は以下の通りです。
例:自社製品Aに対する商品イメージ
商品イメージには、商品の特徴や価格、プロモーション内容など多くの要素が影響し合っています。コレスポンデンス分析を使うことで、各要素がどのような慣例性を有しているのかを分析することができます。
2.4.主成分分析
主成分分析は、膨大なテキストデータから主要な要素(主成分)のみを抽出し、データの要素を削減し、少数の新しい変数(主成分)に要約する分析手法です。主にビッグデータの分析によく活用されますが、主成分に含まれない情報を切り捨ててしまうデメリットがある点は留意が必要です。
3.テキストマイニングのメリット
この章では、テキストマイニングを活用するメリットを解説します。テキストマイニングを活用することで、顧客ニーズの把握や製品改善、マーケティング戦略の立案などに寄与し、競争力の向上につながります。
また、次章のテキストマイニングを活用するデメリットと合わせて理解しておくと良いでしょう。
3.1.データ分析の効率化
膨大なテキストデータを短時間で処理でき、手作業での分析が困難な大量のデータを効率的に分析することができます。
3.2.潜在的な情報の発見
人間では気づきにくい傾向やパターンを見つけ出すことができ、キーワードの頻出量や関連性から、テキスト全体の傾向を定量的に把握することができます。
3.3.リアルタイムな情報把握
SNSや口コミなどからトレンドをリアルタイムで分析することができ、市場動向や顧客ニーズをタイムリーに把握することができます。
4.テキストマイニングのデメリット
上述の通り、この章では、テキストマイニングを活用するデメリットを解説します。
デメリットを認識し、適切に対処することがテキストマイニングを効果的に活用する上で重要になります。
4.1.分析精度の問題
表現が似ている単語や微妙なニュアンスを正確に判別できない場合があり、なかでも日本語の解析は特に精度が低下する可能性があります。
4.2.人的リソースの必要性
完全な自動化は難易度が高く、分析結果の解釈や活用には人間の判断が必要となり人的リソースが不可欠となります。よって、大量のデータを分析する際には、予想以上に時間がかかることがあります。
4.3.調査の手間とコストがかかる
高度なテキストマイニングには専門的なスキルと高いコストが必要な場合があります。
6. まとめ
テキストマイニングは、膨大なテキストデータから価値ある洞察を引き出す強力なツールです。効率的なデータ分析は、潜在的な情報の発見、リアルタイムな市場動向の把握など、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。これらを踏まえ、テキストマイニングを活用する際は、その特性を十分に理解し、適切な手法を選択することが重要です。(以下の表をご参照ください。)
また、ビジネスの意思決定や戦略立案を支援する有力なツールとして、今後さらなる進化が期待されており、企業の競争力向上や顧客満足度の改善につながるでしょう。

また、当社でもテキストマイニングに関するご相談を承っております。
ご希望の方、ご質問等がある方は、HP下部よりお気軽にお問い合わせください!
また、次回のコラムもお楽しみください!
