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【解説】今話題の顧客満足度を測る方法(NPS)

更新日:2025.01.09
デスクでの報告書の確認

顧客満足度を測る重要な指標として、ネット・プロモーター・スコア(NPS:Net Promoter Score)が顧客へのアンケート調査において広く活用されています。


顧客満足度とは、企業の商品やサービスに対して顧客がどの程度満足しているかを表す指標です。
一方で、顧客満足度と似た表現である顧客ロイヤリティは、顧客が企業や商品、サービスに対して抱く信頼や愛着など、継続的な利益をもたらす度合いを指し、単純な顧客満足を超え、より深い感情的なつながりを表す指標です。


今回は、その顧客ロイヤリティ(顧客満足度)を表すネット・プロモーター・スコア(NPS)について解説します。

​目次

1.ネット・プロモーター・スコア(NPS)とは?

2.ネット・プロモーター・スコア(NPS)の例

3.NPSを活用するメリット

4.NPSを活用するデメリットと改善点

5.NPSの事例紹介

6.まとめ

1.ネット・プロモーター・スコア(NPS)とは?

ネット・プロモーター・スコア(NPS)とは、顧客ロイヤリティを測るアンケート調査のひとつで、至ってシンプルな以下のような質問を顧客に行います。

 

 質問「あなたは〇〇製品や〇〇サービスを友人や同僚にどの程度推奨しますか?」

 

上記の回答を0から10までの11段階で回答し、グループ分けを行います。

スクリーンショット 2025-01-09 1.31.46.png

NPSとは、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値のことを指します。つまり、推奨者が増えるほど数値が高くなり、批判者が減るほど数値が低くなり、NPS数値に影響を与えます。

 NPS = 「推奨者」の割合 ➖ 「批判者」の割合

2.ネット・プロモーター・スコア(NPS)の例

ある企業が自社製品AについてのNPS(顧客ロイヤリティ)を測定したいと考えました。
そこで、ある企業は以下の質問を1,000人の製品Aの利用者へ行いました。

 「製品Aを友人や同僚にどの程度推奨しますか?」

回答は以下のようでした。

スクリーンショット 2025-01-09 1.32.21.png

回答を踏まえて、製品AについてのNPSを「20」と算出することができました。

 製品AのNPS = 30(%) ➖ 10(%) = 20(%)

 (「推奨者」の割合 ➖「批判者」の割合を引いた数値)

3.NPSを活用するメリット

NPSを活用するメリットを3つ解説します。

3.1.収益性の予測と向上​

NPSは顧客の推奨意向を測定するため、推奨者の割合が高いほど、将来的な収益が増加する可能性が高いことを示します。推奨者が多い商品やサービスは、再購入や新規顧客の獲得につながりやすく、企業の成長を促進します。

3.2.競合との比較が容易

NPSは業界全体で広く利用されているため、自社のスコアを競合他社と比較しやすく、自社の立ち位置を客観的に把握できます。これにより、改善点や強みを明確にし、戦略的な意思決定に役立てることができます。

3.3.顧客ロイヤリティの向上

NPSによって得られたデータを基に改善策を講じることで、顧客のロイヤリティを高めることができます。ロイヤリティの高い顧客は継続的な購入や口コミによる新規顧客獲得に寄与し、長期的なブランド価値の向上につながります。

4.NPSを活用するデメリットと改善点

NPSを活用する際には、上述のようなメリットがある一方でデメリットもあります。
次に、デメリットを3つ解説します。

また、下記のメリットとデメリットをまとめた表も併せてご参照ください。

4.1.日本人を対象者とした場合の低スコアの懸念

日本人は意見を控えめに表現する傾向があり、中間的な回答を選びやすいです。そのため、NPSでは批判者に分類される回答が多くなり、実態よりも低いスコアになりがちです。これにより、海外企業との比較が難しくなります。
改善点としては、追加の質問を設けて、回答の背景にある理由をより詳しく把握することです。また、日本の文化的背景を考慮し、スコアの解釈を調整することも可能でしょう。

4.2.具体的な改善点が見えにくい

NPSは「推奨度」を測定するシンプルな指標のため、顧客がどのような体験を基に回答したのかがわかりにくいです。そのため、具体的な改善ポイントを特定しにくく、迅速で的確な改善につなげるのが難しい場合があります。
改善点としては、NPSの質問に加えて、理由を尋ねる自由回答欄を設けたり、フォローアップの詳細なアンケートを実施し、より具体的な情報を収集します。

4.3.調査の手間とコストがかかる

NPSの調査設計は難しく、正確な結果を得るためには一定数以上の回答が必要です。多くの場合、外部の調査会社に依頼することになり、継続的な実施には高いコストがかかります。特に小規模な企業にとっては、定期的な調査の実施が困難になる可能性があります。
改善点としては、リサーチ会社の利用や定期的な調査の実施により、十分なサンプル数を確保します。また、複数の調査手法を組み合わせて、より包括的な顧客理解を目指します。

5. NPSの事例紹介

NPSを活用している企業は多く存在します。
次に、3つの企業によるNPSの活用事例をご紹介します。

5.1.楽天グループ

NPSを成長戦略の重要なKPIとして位置付けています。
顧客戦略部を設置し、NPS推進室を新設して各事業部で顧客理解促進の研修を実施しており、
2022年にEC業界におけるNPSランキングで1位を獲得しました。

5.2.ポーラ・オルビスグループ

アンケートによるNPS調査をもとに、顧客の声を事業に反映しています。
タッチポイントごとの印象を定常的に調査し、接客改善によりリピート率向上などの成果を上げています。
また、「CHIEIZU」という情報共有システムを構築し、様々な顧客の声を集約しています。

5.3.富士通株式会社

NPSを非財務指標として位置付け、財務指標との相関を検証しながら経営判断に活用しています。
2020年から30カ国共通の質問でアンケート調査を実施し、グローバルで顧客の声を分析・共有しており、CXリーダーを地域ごとに任命し、顧客課題の解決に取り組んでいます。

https://www.nttcoms.com/service/nps/case/ より引用

6. まとめ

今回は、ネット・プロモーター・スコア(NPS:Net Promoter Score)についてご紹介しました。
NPSは企業の成長や収益性との相関が高いとされ、多くの企業で活用されています。

活用するメリットが多々ある点、デメリットがある点においても十分気をつけましょう。

メリットとデメリットを以下の表ににまとめましたので参考にしてください。

コラム作成用スライド (16).png

また、当社でもNPS調査の実施を承っております。
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また、次回のコラムもお楽しみください!

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